9.習慣性流産
不妊症
自然流産の確率は、全妊娠の10~15%と意外に高く、止められなかった流産のほとんどは、胎児側の理由によるものだといわれています。
染色体の異常など、胎児側の問題による流産は、残念ながら漢方薬をもってしてもくい止めることは出来ませんが、それ以外の流産であれば、状況に応じて対応することで、予防も可能なケースも多いのです。
また3回以上流産を繰り返すことを「習慣性流産」といい、中医学では「滑胎」と呼ばれています。
流産は、回数を重ねるほど次の妊娠も流産に終わる確率が高くなってしまいます。
そのため、たとえ一度でも流産の経験があれば、できるだけ早くその対処法を考えた方がよいでしょう。
何度も繰り返していれば、なおさらのことです。
中医学では流産を「小さなお産」ととらえており、産後と同じ様な養生が必要だと考えています。
流産の時期にもよりますが、たいていの場合、気や血が不足し、子宮内の血行も悪くなっていることも多いので、生殖能力を高める腎と、気血を作り出す脾(消化器)を補う補腎健脾、血を補う養血、さらに血のめぐりをよくする活血化おなどの対策が必要です。
そして十分な養生ができたら、流産の予防と、流産しやすい体質の改善を兼ねた周期療法(基礎体温の変化に合わせて働きの違う漢方薬を飲み分けていく方法)を試してみるのがよいでしょう。
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