8.着床障害
不妊症
着床のメカニズムは、実は科学的にはまだよく分かっていない部分もあり、「妊娠のブラックボックス」と言われているほどですが、「体作り」という視点を持つ中医学は、着床障害についても、さまざまな対処法を持っています。
着床障害とは、「種はよいのにその種をまく土壌がよくないため、芽が出ない」状態といえます。
例えば病院で調べても何の異常もないのに、なかなか妊娠できない場合や、体外受精で受精卵の質は悪くないのに、何回移植しても着床ができず生理が来てしまう場合などです。
「土壌」である子宮内膜は柔らかく適度に温かいのが、「種」である受精卵にとって居心地の良い状態です。
子宮が冷えていたり、子宮内膜が薄かったり、あるいは厚すぎて硬かったりすると、着床が難しくなります。
これらの内膜の問題は、主に血のめぐりが悪いお血、妊娠に不可欠な血が不足した血虚、陰と陽のうちの陽の機能(体を温めたり、妊娠に必要なものを作るエネルギー)が低下した陽虚などが、複雑に絡み合って起こっています。
対策としては、まず、お血の兆候があれば活血薬(血液をサラサラにして流れを良くする漢方薬)を月経期・排卵期中心に使い、陽虚や血虚に対しては、腎陽や血を補う漢方薬を用いて、子宮内を温め、内膜を柔らかく保つようにする事が大切です。
このように、「着床障害」という問題も、総合的に見ると、周期療法が最も適した対処法といえます。
関連記事(症例など)