7.男性不妊
不妊症
カナダのモントリオールで開催された第18回世界不妊学会で、男性不妊の発症率が世界的に急増しているという研究報告が行われました。
慶応大グループの精子数に関する発表では、日本でも1990年以降、精子数に強い減少傾向が見られることが明らかにされました。
世界保健機構(WHO)によると、不妊症の7273カップルの調査では、不妊症の原因は41%が女性のみ、24%が男女ともにあり、24%が男性のみ、11%が原因不明です。
つまり男性に不妊症の原因があるカップルが約4組に1組、男女ともに原因があるカップルも約4組に1組あると報告されています。
さて、中医学では男性不妊症を以下のように分類しています。
1. 精液不液化症:射精後、1時間たっても精液が液化しない。
①陰虚火旺型 暑がり、多汗、口渇、少尿・頻尿・黄着色尿、便秘、のぼせ、高血圧傾向などが特徴です。
②陽虚凝滞型:寒がり、無汗、多尿・夜間尿・無着色尿、下痢・軟便傾向、青白い感じなどが特徴です。
2. 精液減少症:精液2ml以下、精子数3000万/ml以下。
①のタイプの場合は滋陰降火・活血化おの方法で、
②のタイプの場合は壮陽補腎・固腎填精の方法で治療します。
3. 精子無力症:前進運動精子は50%以下、又は高速直進精子25%以下。中医学では②のタイプとして、壮陽補腎・固腎填精の方法で治療します。
4. 奇形精子:形態正常精子は30%以下。①のタイプが多く、滋陰降火・滋補肝腎の方法で治療します。
5. 膿精液(精液感染):精液の白血球数が100万個/ml以上。湿熱下注などによるもので、清熱利湿の方法で改善します。
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