妙泉堂薬局

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夏後の夏バテ・むくみ・胃腸病に漢方薬を

夏後の夏バテ・むくみ・胃腸病に漢方薬を

季節の病気と漢方薬

今年の夏は平均気温も高く、とても厳しい夏となりました。また台風や秋雨前線の活発化で夏の後半の大雨にも悩まされる年となりました。このような気候が原因で、いわゆる「夏バテ」になりやすく、またむくみや胃腸の不調、下痢、軟便を訴える方が特に多いと感じます。このような夏バテ症候群に有効な漢方薬をご紹介します。
まずは夏バテの定番処方と言えば補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。処方名の通り、中(体の中心部=胃腸)の機能を補い、気力を益する漢方薬としてよく知られています。発汗や食欲不振などにより、元気や生命力、抵抗力の源である気の不足が起こり、夏バテ、夏やせ、疲労倦怠感などを生じた場合に適用されます。その優れた働きから「医王湯」とも別称されています。補中益気湯には、補気薬の基本である人参、黄耆、白朮、甘草が配合されています。
次は
補気建中湯(ほきけんちゅうとう)です。補中益気湯に似た働きを持っています。すなわち『気虚(エネルギー不足)』によって「むくみ」が顕著である場合に適用します。元気がない、食欲もない、疲労感などを背景にしたむくみ(あるいは腹水)や腹部の膨満感に用いられます。
また、「むくみ」には、分消湯(ぶんしょうとう)も使われます。「むくみ」には虚実論があり、病態により、虚腫・実腫と表現します。挙手は患部を指で押してみたときに、陥没がなかなか戻らず、実腫は陥没が短時間で戻ります。補気建中湯は『虚腫』、分消湯は『実腫』に対応する漢方薬です。いずれの漢方薬も水の代謝改善を目的とした利水薬の茯苓、沢瀉、白朮などが配合されています。
さて、夏後の胃腸病として「下痢・軟便・食欲不振」があります。これらの諸症状に適応する漢方薬をご紹介します。
通常は胃腸が丈夫な方でも場合により暴飲暴食、過食による下痢、軟便、消化不良を発症します。このような場合に最適な漢方薬が加味平胃散(かみへいいさん)です。一般に平胃散が良く知られていますが、本方はさらに消導薬(消化促進剤)の神麹、麦芽、山査子を加えて食滞を除去し、消化力を強化しています。原方の平胃散は、胃腸内に停滞した食毒と水毒を、平(かたよらない、平常にする、鎮める、おだやか)にするという意味を持ち、命名されています。
夏の暑さから冷えた飲食物を摂りすぎた結果、発生した下痢や軟便に適した漢方薬が人参湯(にんじんとう)です。胃腸が冷える、冷たい飲食物は好まない、水様性の下痢、尿量が多く色が薄いなどの漢方で言う『寒証』の諸症状が特徴です。従って、胃腸を温める働きの乾姜、人参、白朮が配合されています。
また、平素から胃腸の虚弱があって、夏の暑さに伴う食欲不振、食べると下痢、軟便、疲労倦怠感があるというタイプの方には参苓白朮散(じんれいびゃくじゅつさん)が適応します。補中益気湯が適応する方で、下痢や軟便が顕著な場合は参苓白朮散をお勧めします。

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