小児の花粉症
季節の病気と漢方薬
これまでは小児の花粉症はないと言われてきましたが、ここ数年で小児花粉症が増加傾向にあると報告されています。
日本アレルギー学会によると、花粉シーズンを2度経験すると乳児の花粉症患者が増えると報告されています。
そのため、2歳以上になると花粉症になる可能性があると言えます。
報告数はまだごくわずかですが、1歳〜2歳の幼児の花粉症もすでに確認されています。
なお、小児の花粉症の場合、男子のほうが若干多いことが分かっています。
小児のうちから花粉症になると、花粉そのものの減少や自然治癒は期待できないため、長期にわたって症状に苦しむことが予想されます。
花粉症であるかないか、花粉の飛散が多い地域か否かは別にしても、花粉症にならないように予防策を講じるのが賢明でしょう。
将来、子どもが花粉症で苦しまないようにするためにはどうすればよいか―。
理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センターの谷口克センター長が「花粉症にならないための9か条」を紹介しています。
▽生後早期にBCGを接種させる
▽幼児期からヨーグルトなど乳酸菌飲食物を摂取させる
▽小児期にはなるべく抗生物質を使わない
▽猫、犬を家の中で飼育する
▽早期に託児所などに預け、細菌感染の機会を増やす
▽適度に不衛生な環境を維持する
▽狭い家で、子だくさんの状態で育てる
▽農家で育てる
▽手や顔を洗う回数を少なくする
この子どもを花粉症にしない9カ条を見ると、あまりきれいすぎる環境で育てず、昔の日本に戻れということなのかもしれません。
さて、漢方薬・自然薬としては、小児の花粉症にはカボチャの種子、オオバコの種子、スイカズラの花、ベニバナにビフィズス菌、ラクチュロース、ラクリス菌を配合した「インターパンチ」というハーブ食品が花粉症の予防として大変有効です。また、甘みがあって飲みやすいので小さなお子様でも嫌がらずに服用できるというメリットもあります。
もし、花粉症の症状が発症していれば、このインターパンチに「小青竜湯」や「麻黄附子細辛湯」、「葛根湯加川キュウ辛夷」などを体質や症状に合わせて併用すると症状が軽く済みますし、だるくなる、眠くなるなどの副作用もほとんどありません。
食養生としては、ケーキやチョコレートなどの砂糖甘いもの、天ぷらや揚げ物などの油もの、肉類、アイスクリームなどのお腹を冷やすものを控えて、昔ながらの和食中心の食事にすることと、ヨーグルトなどの善玉菌を多く含む食品で、腸内環境を整えることも肝要です。