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夏の眼科ケア:病原体による感染から目を守る

夏の眼科ケア:病原体による感染から目を守る

季節の病気と漢方薬

夏は高温多湿の環境であることから、感染性結膜炎を起こすウィルスや細菌などの病原体が増殖しやすい時期と言えます。プール熱(咽頭結膜炎)や、はやり目(流行性角結膜炎)などの感染力の強いウィルスによる急性結膜炎は、集団生活をする場所や季節によっては急速に感染が広がり流行することが知られています。
中医学では、流行性を持つウィルス性結膜炎は、疫毒外邪の侵入によって引き起こされると考えます。
中医学においては、以下のタイプ別に対応します。
〇風熱侵入タイプ(症状は比較的軽い)
症状:目の充血、目の違和感、涙が出る、発熱、のどの痛み
→疎風散熱、清熱解毒:
銀翹散、板藍根、洗肝明目湯など
〇肝胆実熱タイプ
症状:目の充血がひどい、目の熱感、眼瞼の腫れ、目やにが多い、頭痛、口が苦い・粘るなど
→清肝瀉火、清熱解毒:
竜胆瀉肝湯、五味消毒飲、石決明配合漢方など
〇痰湿熱タイプ
症状:脂っこい食品や香辛料の摂りすぎで、腹部膨満感(お腹が張る感じ)、口の粘りなど
→清熱利湿、去痰理気、消化促進:
温胆湯、焦三仙、五行草、加味平胃散など
〇陰虚肝熱タイプ
症状:眼精疲労、目の乾き、目の異物感、目のかすみ、口の渇きなどに加え、日頃パソコンやスマートフォン、テレビ、タブレットなどの利用時間が長く、目に必要な潤い、栄養が過剰に消耗される場合
→滋陰養血、清肝明目:枸菊知黄丸、洗肝明目湯、石決明配合漢方など

夏は、旅やレジャーなどで公衆・共用の場所に出かける機会が増えます。ウィルスの感染から目を守るには、免疫力の未熟な子どもや、免疫力が低下した中高年、虚弱体質の方には、板藍根や衛益顆粒(玉屏風散)などがお勧めです。また手洗いをしっかり行い、生活習慣を正し、栄養バランスの良い食事や十分な睡眠をとることで、免疫力を低下させないように心がけることが大切です。
また、真夏日が続くと、からだの熱感や多量の発汗による倦怠感などの体の不調が現れるほか、目の負担が増えることも考えられます。エアコンを利用することによる乾燥、夏休みでパソコンやスマートフォンを使う時間が増えるなどが要因となり、目の疲れ・充血、ドライアイの悪化、口の渇き・異物感などの症状が現れた場合は、滋補肝腎、益気生津、清肝明目を目的として、生脈散と枸菊知黄丸の併用がお勧めです。

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