クーラー病(冷房病)
女性のための漢方薬
クーラー病にかからない方法
夏になって「なんとなくだるい」「食欲がない」「やる気がない」といった症状はクーラー病の症状です。ちょと見ると、夏バテとそっくりですが、クーラー病と夏バテでは原因が違います。
そのため対処法も異なります。夏バテは体温調節をするためにかいた汗がうまく蒸発せず表面に残ってしまい、のぼせたような状態になることです。
一方、クーラー病は上手に汗をかけなくなってしまい、体温の調節がうまくいかない状態になることです。
つまり、現代人は、1年を通して冷暖房によって快適になった分、体温を調節する機能が鈍くなってしまったといえるのです。
ここでは、どうしてクーラー病にかかるのか、身体に優しい冷房の使用方法、冷房対策をご紹介します。
冷えすぎからくる体調不良に注意
屋外と室内との気温差が大きいところを行き来すると、自律神経に不調をきたします。また、冷房の効いた部屋に一日中いると、体温を調節する機能が鈍くなってしまい、その結果、やはり自律神経に不調をきたし、疲労感や倦怠感といった夏バテの症状をひきおこしてしまいます。
1日中冷房をかけっぱなしにせず、日中の気温が高い時間帯だけかけて、朝の涼しい時間帯や夕方は冷房をやめて扇風機にするなど、1日のうち冷房を使わない時間帯をつくりましょう。
冷房対策で身を守る
冷え性の人や女性は、特に冷房から身を守る対策が必要です。
1. カーディガンやジャケットなど、脱ぎ着できる上着を用意しておくとよいでしょう。
2. デスクワークなど運動量の少ない人は、冷気がいきやすい下半身を冷やさないようにしましょう。靴下やひざかけ、薄手の腹巻き、携帯用カイロなど使うと効果的です。
3. 暑いからといってシャワーだけですますのではなく、40度以下のぬるめのお湯にゆっくりつかりましょう。
血行がよくなり、リラックス効果や安眠効果が得られ、乱れた自律神経も正常な状態に近づきます
4. 特に冷えを感じない人でも、冷房の風が直接肌にあたらないよう、ハンカチやスカーフを首や肩に巻いておくと、頭痛や肩こりといった症状が軽減されます。
電車やオフィスなど、冷房の設定を変えるのがむずかしい場所では、自分で温度調節ができるように準備しておいて、自分の身体をいたわってあげたいものですね。
夏を快適に過ごす工夫を
ただでさえ体調を崩しがちな夏ですが、冷房ばかりにたよらず、夏の暑さを快適に過ごせるよう工夫しましょう。
汗っかきの人は、着る衣服も、通気性・吸湿性の良いものをえらぶようにしましょう。
気温があまり高くなくても湿度が高いと体内に熱がこもってしまいます。
汗をかいてもすぐに吸収してくれるような素材や、通気性の良いデザインの服を選ぶことで、体温調節がスムーズに行うことができます。
また、汗っかきの人は、かいわれ、きゅうり、セロリ、トマト、なす、みょうがといった身体を冷やす効果のある野菜や、スッポン、ドジョウ、くらげ、イカ、豚肉、はもなどの滋養のつく肉や魚介類を食べると夏バテしにくい身体になるでしょう。
クーラー病の漢方薬としては、体の中を温めながら、冷えで滞った気と血と水の流れを良くすることがポイントです。
処方としては婦宝当帰膠(婦宝当帰膠)、連珠飲(れんじゅいん)、冠心逐オ丹(かんしんちくおたん)などが最適です。