偏頭痛(片頭痛)
痛みの漢方薬
偏頭痛(片頭痛)
偏頭痛とは主に頭の片側で起こり脈拍に伴ってズキズキと痛むのが特徴的な頭痛です。ただし、片側にのみ起こるという方はおよそ6割ほどで、両側に痛みがある方も4割ほど報告されているので、必ずしも片側にだけ限局して起こるというわけではありません。
偏頭痛の症状は、およそ一貫してズキズキと脈打つような拍動性という痛みが生じるのが特徴です。ときに持続的にジーンジーンと痛みが持続することもあります。痛みは発作的に現れることが多く、月に1回程度の頻度から多い人は週に2~3回以上も生じることもあります。痛みは比較的強いのが特徴で、数時間から長い時は数日間続くこともあります。発作が治まると次の発作までは全く症状が見られませんが、また発作が始まると同じ症状に見舞われます。
頭痛以外にも吐き気や嘔吐、便秘か下痢のどちらかを伴うことが多く、また普段はなんともない光や音に対して過敏に反応するようになる閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれる視界にギラギラした光が映り込む前兆症状が見られることもあります。偏頭痛の痛みは一般に休息や睡眠を取ることで治まります。
一旦症状が出始めると、何も手を付けられなくなって寝込んでしまう、仕事も勉強も一切手に付かないなど、ほとんどの方が日常生活に支障をきたしてしまいます。
偏頭痛は日本人のおよそ12人に1人の割合で認められ、男性よりも女性に多く、比較的若い年齢層の10~40代の若中年の女性によく見られます。この年代のしかも男性よりも女性に多いのは、女性特有の月経に伴うホルモンバランスの変化が背景にあると考えられ、ホルモンの作用が頭痛を起こすことに影響していることが分かります。また家族で同じように頭痛持ちの方が居ることが多いことから、遺伝的要因も少なからずあると考えられています。
ただし、現在でも偏頭痛の原因が完全に解明されているわけではなく、脳自体に何らかの原因があるとする中枢起源説や、脳血管や三叉神経に原因があるとする三叉神経血管説などが有力視されています。
片頭痛によいとされる漢方薬は呉茱萸湯(ごしゅゆとう)と五苓散(ごれいさん)です。
呉茱萸湯は、飲み続けていると体質改善で片頭痛を起こしにくくなると言われています。ただし、体質改善は短期で効果が現れるものではありません。
五苓散は、頭痛の痛みが発生したときに飲むものです。片頭痛の痛みには劇的に効くと言われます。また、片頭痛が起きそうという予兆を感じたタイミングで飲むと、頭痛が起こりにくい、痛みを軽減できるという報告もあります。
呉茱萸湯と五苓散をうまく活用すれば、トリプタン製剤などの西洋薬の服用回数を減らすことが期待できます。
また、これらの漢方薬でもなかなか良くならない難治性の偏頭痛には、清上けん痛湯という頭痛専門の漢方薬で改善する場合もあります。
なかなか良くならない偏頭痛も、体質と病状に合わせた漢方薬で本当に楽になります。また温灸法も指導させていただきます。偏頭痛でお悩みの方、しっかりとした体質チェックと選薬の出来る当店にご相談ください。