のどの痛み(咽喉痛)
痛みの漢方薬
のどの痛み(咽喉痛)
喉の痛みは、風邪の代表的な症状です。しかし、「喉の痛みだけが治まらない」という場合は、別の病気の可能性もあります。そこで今回は、喉の痛みが症状としてあらわれる病気についてご紹介しましょう。「たかが喉の痛み」と思って放っておくと、大変なことになるケースもあります。喉の痛みが長引いている、という方は要注意です。
まずは喉の痛みが起こるメカニズムをご紹介します。なぜ風邪をひいたら喉が痛むのでしょうか?
喉は鼻腔、口腔から続く咽頭(いんとう)や、扁桃腺、喉頭などがあります。喉は鼻腔や口腔を通して外気がダイレクトに入ってくる場所ですから、ウィルスや細菌の影響を受けやすい。特に咽頭には、細菌をからめとるための「綿毛」という組織があります。しかしウィルスや細菌の攻撃が激しいと、この綿毛が抜け落ちて炎症をおこし、痛みがでるのです。また、扁桃腺も細菌やウィルスの影響を受けて炎症を起こしやすい。さらに、大声を出しすぎると声帯が酷使されて痛む場合もあります。つまり、「咽頭」「扁桃腺」「喉頭」が喉のなかでも痛みやすい個所なのです。
そして喉の痛みが長引く原因は大きく分けて2つあります。ひとつは体の抵抗力が落ちて、炎症がなかなか完治しない場合。もうひとつは自己治癒力では完治が難しい病気を発症している場合です。喉の痛み自体はよくある体の不調ですが、10日以上も痛みが続く場合は念のために耳鼻咽喉科を受診してください。
では、風邪以外で喉の痛みが出る病気にはどのようなものがあるのでしょうか?
①慢性扁桃炎
風邪のウィルスが扁桃腺に感染すると、「急性扁桃炎」を起こす場合があります。
これが長引いたり何度も再発したりすると、扁桃腺にウィルスが常駐して炎症が慢性化するのです。感染した菌によっては、喉の痛みの他に関節痛や発熱がある場合もあります。
風邪をひくたびに扁桃腺が炎症を起こすようでしたら、医師から手術をすすめられる場合もあるでしょう。
②声帯ポリープ
一時的に声を出しすぎると、起こりやすい病気です。声帯粘膜の血管が破れて内出血を起こしポリープを形成するため、喉の痛みのほかに声が嗄れる方も多いでしょう。また、歌手や教師など、喉を酷使する職業の人も発症しやすいです。
③潰瘍やガン
喉の「喉頭」には、まれに腫瘍やガンができます。良性のものもありますが、悪性のものは「喉頭ガン」と呼ばれ、最悪の場合は命にかかわる場合もあります。喉頭ガンは飲酒や喫煙の習慣がある人に発症しやすいです。喫煙者やお酒を毎日飲むという方は、定期的に検査を受けましょう。
のどの痛みと漢方薬
風邪の場合の漢方薬:葛根湯[かっこんとう]麻黄附子細辛湯[まおうぶしさいしんとう]・・・・(寒気強いの風邪)
銀翹散[ぎんぎょうさん]天津感冒片[てんしんかんぼうへん]・・・(熱感の強い風邪)
声帯ポリープの痛み・声がれ:桔梗湯[ききょうとう]桔梗石膏[ききょうせっこう]響声破笛丸[きょうせいはてきがん]
潰瘍やガン:病院での治療が重要ですが対症療法として:黄連解毒湯[おうれんげどくとう]百花蛇舌草[びゃっかじゃぜつそう]小柴胡湯加桔梗石膏[しょうさいことうかききょうせっこう]
では最後に、喉の痛みを予防する方法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
①乾燥を防ぐ
外出時にはマスクをつけ、部屋には加湿器を設置するとよいです。また、旅行中はホテルの部屋にぬれタオルをかけておくだけで、喉の乾燥を防げます。
②うがいをする
③刺激物を避ける
喉が痛みやすい人は、唐辛子やコショウなどの刺激物をできるだけ避けてください。
④禁煙と節酒を心がける
⑤声を張り上げすぎない